生きているということ
とても優しい感じの人でした・・・
その人は、いつもベッドの縁に座っていました。
いつもうつむいて、
時々看護師さんが来て、
注射打とうか?って聞いていましたが、
その人はいつも首を横に振りました。
一日中、そして夜も、ベッドの縁に座ってました。
ある日のこと、娘さんらしき女性が小さな女の子を連れて来ました。
御身内の方がいるのをはじめて知りました。
でも、会話の一つもなく
15分ほどで帰られました。
それでも優しく静かな時間でした。
その方の痛みが消えるように見えた、
穏やかな時間が過ぎていました。
その夜、その方はベッドに横になりました。
その人の名前は、三井さん。
そのままなくなりました。
こんな話を聞いて、悲しいと思いますか、つまらないと思いますか、
苦しくなったり、イライラしたりしますか?
どう感じようと、その人には関係の無い事なのです。
あなたの思いに正しいも、間違いもありません。。。
大切なことは、その方も自分と同じ時間に生き、同じ空間にいたことがあるということでしかないのです。
その人が亡くなった事、苦しかったこと、
それすら、あなたや私には関係が無く、
その人が生きていたんだ、
同じ空間に存在したんだ、
それだけが真実なのだと思います。
あなたや私が、その光景を見たこと、
それも大きな意味のある真実です。
それを認められること、
それが、あなた自身を認められることなのです。
そう思うのです。
0コメント